第一経営との出会いはどんな形でしたか?
6歳下の弟は全くタイプが違い、調理師になりたいというまっすぐな目標を持っていましたが、自分には明確な目標がなく、就職活動を始めるときは、業種を絞れていませんでした。何となく「色々な人に関われれば良いな」と思っていました。
第一経営との出会いは偶然です。会社名で「〇〇相談所」というのは珍しく、心に引っ掛かるものがありました。ただ、やりたいこと、までは全くイメージできていませんでした。学生向けの説明会で、のちに同じ事務所で働かせて頂くことになる先輩がイキイキと説明をしていた姿に魅せられ、その先輩が目標となり、入社の決め手となりました。さらに印象的だったのは、インターンシップでの顧客訪問の経験です。ベテランの先輩方お二人とお客様訪問をし、お客様と関わる姿を間近で見ることができ、この仕事のイメージが明確になりました。
内定後、確定申告時期にアルバイトとして、諸先輩方に囲まれて働きました。その時は、預金残高すら合わせられず、本当に自分はやっていけるのかなあ…と漠然と思いました。
入社後、どんな経験をしてきましたか?
説明会等で税理士事務所であることは理解していた為、税理士も自分の進む選択肢の一つとして当然ありました。また、会計業務はやりたいことの一つにもなっていた為、入社後の仕事内容のギャップはありませんでした。ただ、簿記も知らずに入社し、優秀な同期に囲まれて、同期が次々と自分の好きな分野を見つけて勉強を進めていく姿を見て、刺激とともに、焦りも感じました。
入社後、初めて先輩に同行して行ったお客様訪問は、忘れられない経験です。社長との話の中で、マーケティングのSWOT分析をする事となり、自身が学んできた分野だったので挑戦してみたところ、それが社長に響いたようでした。その後、担当を任され、長年にわたるお付き合いを経て、現在、MAS監査サービスを提供するところにまで辿り着きました。
私たちが提供するサービス内容も切り替わるタイミングにきていると感じます。今までの既存事業をやっているだけでは駄目で、具体的に新しい分野を拓き可能性を広げていくところに関わっていきたいです。AI台頭の時代にあっても、「人が組織を作る」ことは変わらず、人でなければできない仕事の価値は益々鮮明になっていきます。その中で、中小企業診断士を目指すことを入社5~6年目で決意し、勉強を続けています。
これからの展開はどう考えていますか?
現在、会計担当者としての業務の傍ら、経営革新支援専門部会のメンバーとして、MAS監査サービスをお客様に広く提案していくコンサルティング業務に携わっています。実は、自分としては「コンサル」という言葉は、うさん臭い印象があり、あまり好きな言葉ではありません(笑)。「言うだけは簡単、一体何を根拠に?」と思われるようなコンサルティングはしたくないのです。けれど、第一経営が展開するコンサルティングは、財務の数字の根拠を基盤にして、経営者とコミュニケーションを取り、サポートしていくスタイルです。これが私たちの強みであり、この形は、第一経営での会計担当者として鍛え抜かれた経験無しには、獲得できないものだと思っています。
課長としての想いを聞かせて下さい。
第一経営は一人一票制で会社の方向性を決めています。誰もが意見を持ち、発することが保障されており、恵まれた環境だと思っています。
一方で、管理者としては、トップダウンとは異なり理論でねじ伏せる方法では駄目で、たくさんの意見をまとめ、所員一人一人に納得してもらうことが必要であり、悩むところもあります。課のメンバーに決定事項を伝える時は、自分でかみ砕いて、翻訳するような形で、しかも、翻訳の仕方もストレートではなく、ベテランに向けて新人に向けてなど、相手に合わせながら、言い方を変えつつ伝える工夫をしています。多様な所員がいる中で、とても難しいことだと思いますが、ただ、それが成し得たとき、一人一票制は大きな力を発揮し、達成感があるのだろう、と思っています。
自分は、わりと何でも一定許容してしまうタイプで、色々な意見を聞くのは苦ではありません。突拍子もない意見が出てきても、自分の視点だけでやっていたら気づかなかったことだと捉え、そういう人の意見も自分のものにしながら考えを広げていこうと考えます。そして、これらの課長としての経験は、顧客関与にも繋がっていると思います。無口な社長さんの懐に飛び込み、その想いを引き出すためにどう話をするか、信頼を得るためにはどんな話をしたらよいか。一つの会社の目的を達成するために、試行錯誤するおもしろさがあるのです。
特に共感する理念は何ですか?
「中小企業家の多面的な要求解決のために努力します。」に最も共感します。
コンサルティングの関与をしている中で、中小企業経営者の方々の悩みは1つではないと感じています。その悩みに寄り添い、提案し、役に立っていくという実感が、第一経営の仕事にはあると思います。
就職活動中の学生の皆さんへ伝えたいことは何ですか?
自分は、好奇心を持っている人と一緒に働きたいと思います。例えば、面白い事があっても、それに気づかずに素通りしてしまったとしたら、とても、もったいないことだと思います。第一経営には、お客様の決算について所員が複数人で検討する「集団検討」という仕組みがありますが、その際にも、お客様の仕事に好奇心を持ち、もっと知りたいという姿勢があると、豊かな検討会になっていくと感じています。
会計事務所業界は、マンネリ化するしかない業界、消えて行く業界、という声も聞きますが、お客様の状況は常に変化し続けています。人や物事に興味を持ち、向き合おうと思えば、マンネリ化することなどあり得ないし、これこそがAIの時代に生き残る道となっていくと思います。
仕事とプライベートを切り分けて、という考え方については、そうあるべきだとも思いますが、仕事でたまったストレスは、仕事で解消できたら、ベストだと思います。仕事をしていると、面倒くさい事、嫌な事もありますが、そんな時こそ好奇心を持って、楽しさを見出してやっていけたなら、仕事は続けていけると思います。