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平成二十一年度税制改正

「百年に一度」といわれる急激な景気の冷え込み、日銀3月短観でも統計開始以来過去最悪の景況感の中で、 3月27日 平成21年度予算が衆議院で可決成立し、「所得税法の一部を改正する法律案」等税制関連4法案も成立しました。
平成21年度の改正は、景気刺激を最優先した減税一色の内容となっています。 また、当初目玉とされていた相続税の改正は、課税方式の遺産取得課税方式への変更という相続税の大幅な改正が先送りとなり、新事業承継税制の創設のみとなりました。 一方、消費税については、附則において、経済情勢の好転させることを前提として、平成23年度までに消費税を含む税制の抜本的な改革をおこなうと明記され、 消費税率の引き上げに道を開くものになっています。 1997年に消費税率が3%から5%に増額され、回復しかけた景気が一気に悪化したことからも、消費税の税率アップは、さらに景気を悪化させ経済を悪くすることとなることは明らかです。

《1》住宅税制

1、住宅ローン減税

住宅ローン減税は、景気対策として今回の改正の目玉となったものです。適用期間を5年間延長され、大幅に拡充されました。また、中低所得者層の負担軽減を目的に所得税から控除しきれない額を個人住民税から控除できる制度が創設されます。

(1)住宅借入金等特別控除

@ 適用期限
・平成21年から平成25年までの入居

A 控除期間・控除額及び控除率等

<一般の住宅の場合>   10年間で最大500万円
居住年控除期間住宅借入金等の年末
残高の限度額
控除率最大控除額
平成21年10年間5000万円1.0%500万円
平成22年10年間5000万円1.0%500万円
平成23年10年間4000万円1.0%400万円
平成24年10年間3000万円1.0%00万円
平成25年10年間2000万円1.0%200万円

<認定長期優良住宅の場合>   10年間で最大600万円
居住年控除期間住宅借入金等の年末
残高の限度額
控除率最大控除額
平成21年10年間5000万円1.2%600万円
平成22年10年間5000万円1.2%600万円
平成23年10年間5000万円1.2%600万円
平成24年10年間4000万円1.0%400万円
平成25年10年間3000万円1.0%300万円

B 転勤者等の適用要件の緩和
これまで適用不可であった住宅取得後に転勤命令等により年末まで居住しなくなった場合について、改正により一定の要件の下では、再入居年に適用が受けられるようになりました。
(具体例)

H21年は適用不可・H22年は適用可

C 増改築後に入居開始の場合
自己の所有の家屋について居住の用に供する前に増改築をした場合でも、6ヶ月以内に居住すれば、この規定の適用が受けられるようになりました。

D 特定の増改築等に係る住宅ローン減税(省エネ改修工事・バリアフリー改修工事)の適用期限の延長
特定の増改築等に係る住宅ローン控除制度の適用期限が、平成25年12月31日まで5年間延長されます。

(2)個人住民税における住宅借入金等特別控除制度の創設

平成21年分以後の所得税において住宅ローン減税制度の適用がある者(平成21年〜平成25年)のうち、所得税から控除しきれない額については、 翌年度分の個人住民税から減額(最高97,500円)されます。

2、長期優良住宅普及税制(200年住宅)の拡充

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の施行(平成21年6月4日)とあわせて創設された制度です。 この制度は、住宅ローン減税のように、住宅借入金の有無に関係なく、自己資金での取得の場合でも適用となることが特徴です。 なお、平成20年度税制改正で決定した不動産取得税・固定資産税・登録免許税の特例も同時に適用されます。

(1)長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の創設(所得税)

認定を受けた長期優良住宅を新築・取得をし、施行日から平成23年12月31日までに居住した場合に、 標準的な性能強化費用相当額(1000万円を限度)の10%を所得税額から控除します。(控除しきれない部分は翌年に控除)
ただし、住宅ローン減税とは選択制となります。

参考 −平成20年度改正−

<固定資産税>
証明書を添付して申告された場合には、新築から5年度分(中高層耐火建築物にあっては7年度分)、の固定資産税(1戸当たり120u相当分までに限る)の2分の1を減額されます。なお、新築住宅については、既に新築から3年度分(中高層耐火建築物にあっては5年度分)は2分の1を減額する措置が講ぜられていますので、実質的には2年度分延長して税額が軽減されることとなります。

<不動産取得税>
課税標準から1,300万円を控除されます。

<登録免許税>
次のように軽減されます。
本則一般住宅(特例)長期優良住宅(案)
・所有権の保存登記4/1,0001.5/1,0001/1,000
・所有権の移転登記20/1,0003/1,0001/1,000
(出所)財務省資料

3、既存住宅への特定改修工事の税額控除の創設

一定の改修工事をおこなった場合に、借入金の有無にかかわらず一定の金額を所得税額から控除する制度が創設されました。 住宅ローン減税等との選択となっており、平成21年に適用を受けると原則として、平成22年には適用を受けることができません。

(1)省エネ改修工事を行った場合(平成21年4月1日〜平成22年12月31日)

一定の省エネ工事をおこなった場合、工事費用と標準的な工事費用相当額の少ない金額(200万円又は太陽光発電装置の設置の場合は300万円が限度) の10%相当額が所得税から控除されます。

(2)バリアフリー改修工事をおこなった場合(平成21年4月1日〜平成22年12月31日)

一定の居住者(50歳以上・介護法の要介護要支援の認定者・障害者・65歳以上の親族と同居など)が、一定のバリアフリー改修工事をおこなった場合、 工事費用と標準的な工事費用相当額の少ない金額(200万円が限度)の10%相当額が所得税から控除されます。

(3)耐震改修工事をおこなった場合(平成21年1月1日〜平成25年12月31日)

耐震改修促進税制が5年延長され、以下のように拡充されました。
一定の区域(地方公共団体の耐震改修工事・耐震診断の補助がある地域)で、既存住宅の耐震改修(昭和56年5月31日以前の建築)をした場合、 工事費用と標準的な工事費用相当額の少ない金額(200万円が限度)の10%相当額が所得税から控除されます。

《2》土地税制

(1)平成21年及び平成22年に取得した土地等の長期譲渡所得の1000万円特別控除制度の創設

個人及び法人が、平成21年・22年に取得した国内の土地等を5年超保有した後に譲渡した場合、1000万円を控除する制度が創設されました。


(2) 平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の課税の特例の創設

事業者(個人・法人)が平成21年・22年に土地等(国内)を取得し、この適用を受ける届出を行った場合、10年以内に、 他の土地を譲渡したとき、その譲渡益について課税の繰延を受けることができる制度が創設されました。繰延べられる割合は、以下のとおりです。
   平成21年中の取得の場合    80%相当額
   平成22年中の取得の場合    60%相当額
(平成21年取得の場合)


@ A土地を25億で取得

A B土地を30億円で売却。
譲渡益 30億円−10億円=20億円(通常はこの20億円に対し課税)
平成21年に先行取得した土地があるため、譲渡益(20億円)×8割=16億円が土地圧縮損として、先行取得したA土地の取得価額が減額され、譲渡益及び先行取得土地の帳簿価額は以下のようになります。
   譲渡益  20億円−16億円=4億円
   A土地の帳簿価額  25億円−16億円=9億円

(3) その他の改正

@ 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について、期限が3年延長されました。

A 土地重課制度(法人・個人)の適用停止措置の期限が5年延長されました。

B 土地売買に係る登録免許税の税率の軽減措置について、平成21年4月1日以後引き上げられることとしていた税率が2年間据置となりました。

《3》法人関係税制

1、中小企業関係税制

(1) 中小法人等の法人税率の軽減

平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する事業年度について、所得金額のうち、年800万円以下について現行の22%から18%へ引き下げられます。

中小企業者等の税率引き下げの概要   (経済産業省資料より)
対象現行の税率改正後の税率
資本金の額又は出資金の額が
1億円以下である普通法人
年所得800万円以下の部分 22%年所得800万円以下の部分 18%
資本又は出資を有しない普通法人
一般社団法人
人格のない社団
協同組合所得区分なし 一律22%年所得800万円超の部分 22%
公益法人
特定医療法人年所得800万円以下の部分 18%

(2) 欠損金額の繰戻しによる還付制度の復活

中小法人等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額について、繰戻しによる還付ができるようになりました。 還付できる金額は、以下のとおりです。

欠損事業年度の欠損金額
還付所得事業年度の法人税額×──────────────
還付所得事業年度の所得金額

(3) 中小企業等基盤強化税制の適用期限の延長

以下の適用期限が、平成23年3月31日まで延長されます。

@ 青色申告法人である特定中小企業者が事業基盤強化設備等を取得した場合の取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除の選択適用

A 青色申告法人である中小企業者の教育訓練費の税額控除

《4》相続税制

1、事業承継税制

*非上場株式等に係る相続税の軽減処置が、従来の10%減額から80%納税猶予に大幅に拡充され、対象が中小企業全般に拡充されました。
*事業承継の一層の円滑化を図るため、生前贈与による株式の承継に伴う税負担を軽減する措置が創設されました。

(1)非上場会社株式等についての相続税の納税猶予制度等の創設

後継者である相続人等が、先代経営者である被相続人から、経済産業大臣の認定を受ける非上場株式等の相続を受けた場合、その後継者が納付すべき相続税のうち、 その株式等に係る課税価格の80%に相当する相続税の納税を猶予されます。ただし、この特例の対象となるのは、 相続開始前から既に保有していたものを含め議決権の3分の2に達するまでの株数に限られます。
この制度は、平成20年10月1日以降の相続に遡及して適用されます。
なお、平成20年10月1日から平成21年3月31日までに相続があった場合に、その財産に非上場株式等が含まれ、 その会社の代表権を有していた場合には、申告期限が平成22年2月1日まで延長されます。

(猶予される税額)


後継者である相続人が、適用を受ける非上場株式のみを相続すると仮定した相続税額
後継者である相続人が、適用を受ける非上場株式の20%のみを相続すると仮定した相続税額
納税猶予税額




(2)非上場会社株式等についての贈与税の納税猶予制度等の創設

後継者である受贈者が、先代経営者である親族から、経済産業大臣の認定を受ける非上場株式等の全部又は一定以上の贈与を受けた場合、 その後継者が納付すべき贈与税のうち、その株式等に対応する贈与税の全額が猶予されます。 ただし、この特例の対象となるのは、贈与前から既に保有していたものを含め議決権の3分の2に達するまでの部分を上限とします。
この制度は、平成21年4月1日以降の贈与について適用されます。

(猶予される税額)


後継者が、1年間に贈与を受けたすべての財産にかかる贈与税額
後継者が、1年間に贈与を受けた財産が適用を受ける非上場株式のみであると仮定した贈与税額
納税猶予税額




(3)特定同族会社株式等に係る相続税の課税の特例の廃止

平成21年3月31日をもって、相続税の課税価格に算入する金額を評価額の10%減額する制度が廃止されました。

2、農地の納税猶予の見直し

*一定の貸付農地が納税猶予の適用対象とされ、障害・疾病等の場合の営農継続要件の緩和など制度の拡充が行われました。
*市街化区域外の農地については、20年間の営農継続が廃止され、農地の保全のための見直しが行われました。

耕作者自らの農地の所有から農地の効率的な利用促進へという農地法等の大幅な改正(現在審議中)にともない、 農地等にかかる相続税の納税猶予制度について、以下の見直しが行われました。

(1)市街化区域以外農地

@ 貸付農地(農業経営基盤強化促進法の規定に基づき貸し付けられた農地等)について、納税猶予の適用対象になりました。

A 20年間の営農継続により猶予税額が免除される措置が廃止されました。

B 猶予期間中に障害・疾病等のやむを得ない事情により営農継続が困難となった場合、一時的に営農困難となったとき及び農地の貸付をしたときでも納税猶予の継続が認められるようになりました。

C 納税猶予に係る農地等の譲渡等をした場合に納付する利子税について、税率を年3.6%(現行6.6%)に引き下げられました。

D 農業経営基盤強化促進法の規定に基づき譲渡した場合、総面積の20%を超えるときでも、納税猶予の取消事由としないこととなりました。

(2)市街化区域内農地

上記(1)B〜Cの改正が行われました。

(納税猶予期限)
三大都市圏の特定市にある都市営農農地等及び市街化区域以外の農地 農業相続人の死亡の日
三大都市圏以外及び市街化区域内農地 農業相続人の死亡の日又は相続税の申告期限から20年経過の日
「農地法などの一部を改正する法律」の施行の日以後の相続・遺贈・贈与による農地の取得等から適用されます。

《5》金融・証券税制

(1) 上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率の特例の見直し

平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の上場株式等の配当所得及び譲渡所得等の税率は、10%の軽減税率(所得税7%・住民税3%)となります。


〜平成20年平成21年〜23年平成24年〜
税率10%10%20%
上場株式等の譲渡損と配当の損益通算
(平成20年改正により創設)
なし 平成21年〜 申告による方式
平成22年〜 特定口座を活用する方式

(2) 上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率等の特例の延長

10%軽減税率の1年延長

(3) 源泉徴収選択口座における源泉徴収税率の特例の延長

10%軽減税率の1年延長

(4) 少額の上場株式等投資のための非課税措置の創設

少額投資のための簡素な優遇措置(20歳以上の者が非課税口座を開設し、毎年100万円を上限とした新規投資に対する配当所得・譲渡所得等に対しては非課税とする) が上場株式等の配当及び譲渡益に対する20%課税(本則課税)の適用時期に導入されます。

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